多汗症は、自律神経が緊張側に過剰に動くことで起こります。自律神経とは私たちの意思とは関係なく独立して働いて内臓や血管、分泌を制御します。自律神経には二系統あり、交感神経(緊張を司る神経)と副交感神経(リラックスを司る神経)です。
交感神経が働きますと、心拍が速くなり、脳に血液が集められ、外敵やストレスに対してからだは自動的に対処しようとするのです。このため、末梢への血流が減り、手足は冷たくなります。手に汗にぎる、といいますが、この状態が過剰になってハドメが効かなくなった状態が多汗症といえます。
そこで、多汗症の治療には本来、メンタルに自律神経の働きを整える心身療法もあります。また、多汗症の治療のために交感神経を遮断するという手術も認められるようになりました。わきの下に2ミリほどの針穴をあけ、縫合もなしで日帰りでできます。
それでは、ここでは切らずに治せる多汗症治療の最前線をご紹介しましょう。あなたご自身がきちんと理解して、信頼できる医師とご相談ください。
ボトックス注入法
もともと、しわの治療に利用が始まったボトックスですが、わきが・多汗症の治療にも使われるようにもなりました。これはボツリヌス菌の毒素が汗を分泌するエクリン汗腺の働きを止めるためです。効果は約4〜6ヶ月間継続します。
超音波治療法
わきがの原因である汗腺の機能を破壊する治療法です。わきの下の皮膚内に超音波治療器の小さな先端を入れて、汗腺や皮脂を破壊します。傷あとも小さく、神経や血管を傷つけることもありません。
ETS手術(交感神経節切除術)
多汗症の治療のために交感神経を遮断する手術です。施術部位に2ミリほどの針穴をあけ、縫合もなしで日帰りでできます。1週間めには傷はほとんど判別できなくなり、1ヶ月後には傷は消失します。通院も不要。ETS手術は手のひらの多汗症に特に効果的だといわれています。ただし、手術後の代償性発汗(手術した部位の発汗が止まる代わりに胸や背中など他の部位からの発汗が増える)が生じる可能性があります。信頼できるお医者さまと事前によくご相談ください。