どれくらいの汗が出るのかというと、手のひらが汗ばむといったレベルではありません。手掌多汗症ではひどいとポタポタと汗が手のひらからしたたり落ちるのです。ノートを濡らしてしまい、授業が出られない、テストが受けられないというほどの状態にまでなります。
手に汗をかく、といいますが、もともと手のひらはあまり汗をかく部位ではありません。緊張すると手のひらに発汗するのは、いざという時に備えてすべりを防ぐように機能するのです。これは自分で意識しなくとも、自律神経が自動的に緊張モード(交感神経)にスイッチを入れ、まわりの外敵や見えざるストレスに対処できるよう身構えるわけです。
ところが、自律神経失調症や遺伝的な体質で、ちょっとした緊張で手のひらから大量に発汗してしまうのが手掌多汗症です。
手掌多汗症はつい最近まで病気だとは思われていませんでした。気のせいだ、気持ちをしっかり持て、と筋違いなことをお医者さまにいわれたりしていたのです。しかし、多汗症は精神的な病気ではありません。
わきがが性徴とともに発症することが多いのと対照的に、多汗症は乳幼児期にすでに手のひらや足の裏が汗ばむなどの症状が現れてることが多く、もの心がついた時には多汗症だったという人が大半です。
心療内科でカウンセリングを受ける
手掌多汗症の治療には、内服薬の服用から外科手術までいろいろあります。メンタルな要因が大きい場合は、まず精神科や心療内科でカウンセリングを受けるべきでしょう。原因となっているストレスを見つけ、これを解消することが大切です。
ETS手術(交感神経節切除術)
外科的にはETS手術(交感神経節切除術)があります。直径2mmの細いテレビカメラを使って、手の平へいく交感神経を胸部で切断する手術です。腋の下に2mmの傷がつくだけです。再発しにくく、効果はほぼ永続します。
いいことづくめのようですが、欠点は代償性発汗です。手のひらの代わりに背中や腹部に多量の汗が出るケースがあるのです。
この方法を選択される場合は、施術ができるクリニックの情報を多数集め、十分比較して納得のいくクリニックを選ぶようにしてください。リスクはあります。
アルミニウムローション
アルミニウムローションを汗の多い部位に塗布する治療法です。手のひらの多汗にはあまり利用されないようです。腋の下の多汗は効果があるようです。
ボトックス注射
もともと、しわの治療に利用が始まったボトックスですが、わきが・多汗症の治療にも使われるようにもなりました。これはボツリヌス菌の毒素が汗を分泌するエクリン汗腺の働きを止めるためです。効果は約4〜6ヶ月間継続します。
